ばんえい競馬の7つのトリビア


このページは、ばんえい競馬についてのトリビアです。ODINさん、ばんえい競馬って何ですか?

ばんえい競馬とは、最大1トンのおもりを積載したそりを引く競馬だ。世界中で唯一、北海道の帯広競馬場でしか開催されていない。地方競馬に属するが、平地競走とは全く別物の独立した競技だ。

重量が1トン?平地競走ではせいぜい60kgですよね?そんなもの持って、ちゃんと走れるんですか?

走るというか、引っ張る感じだな。距離はわずか200mだが、途中に障害が2つあり、走破するのに2分近くかかる。ゴールまでのスピードを競うが、パワーやスタミナが重要な競技だ。

同じ競馬でも、時速60kmで走る平地競走とは全く性質が違いますね。見所は何でしょう?

やはり競走馬の力強さゆっくりと進むレース展開だな。ばんえい競馬は、最後まで同じペースで走りぬくことはできないため、必ず立ち止まって休息させなければならない。休憩の取り方を失敗すると、障害を越えられなかったりゴール手前で完全にバテて動けなくなったりと思わぬトラブルが発生してしまう。

なるほど。レースの最中で休憩しちゃうのは、「ウサギとカメ」か「ドラゴンクエストのスライムレース」くらいですもんね。それはやきもきしちゃうかも。

最後まで展開が読めないのも、ばんえい競馬の大きな特徴だな。是非、平地競走とは異なる魅力を楽しんでほしい。


①開催数は日本の競馬場で2番目に多い

ばんえい競馬開催数

2020年のばんえい競馬の開催日数は153日。全国で27ある競馬場の内、なんと2番目に開催数が多く、平均して週に3日は開催される計算です。日本のプロ野球と同じくらいやってるんですね。因みに全国で最も開催日数が多いのは、兵庫県の園田競馬場。同じ県内にある姫路競馬場は、2020年の開催日数はわずか3日と、ほぼ休止しています。

②重賞レースは年間27。最も大きいレースは、ばんえい記念

ばんえい競馬重賞レース一覧

2020年度の重賞レースは、全27レース。ばんえい競馬では、重賞競走のランクを「ばんえいグレード(BG)」で表し、BG1~BG3まで3段階あります。最も大きいレースは、年度末に行われるばんえい記念で、1トンの積載重量と1着1000万円の獲得賞金は、共に最大です。

2020/03/21(土)ばんえい記念

③ばん馬はとにかくでかい

ばんえい競馬の競走馬

ばんえい競馬の競走馬を「ばん馬」と言い、ペルシュロン種(馬車や農用に使われる品種)が一般的です。ペルシュロン種は、平地競走で一般的なサラブレッド種に比べて2倍以上の大きさで、走行スピードよりも、パワーやスタミナが発達しているのが特徴です。

④カニ漁師が最年長で騎手になった

林康文騎手

2019年12月、ばんえい競馬で林康文騎手38歳でデビューしました。これは日本競馬の騎手デビューにおける最年長記録です。林康文騎手は、元々は鳥取県のカニ漁師。15年間の漁師生活を経て、2017年に帯広の厩務員(きゅうむいん)に職を変え、2019年にばんえい競馬の騎手免許試験に合格しました。騎手の選手寿命はとっても長いので、これからの活躍に期待ですね。

⑤馬場状態は、含水率の数字で発表される

馬場水分

ばんえい競馬では、馬場状態を含水率の数字で発表しており、これを「馬場水分」と言います。2.0%~3.0%を標準とし、2.0%以下を「重馬場」、3.0%以上を「軽馬場」と言います。

重馬場では、砂が乾いてソリと砂の摩擦量が大きく、スピードが出にくくなるため、パワーのある馬が有利と言われています。軽馬場では、砂が湿ってソリが滑りやすくスピードが出やすいため、先行馬が有利になると言われています。

⑥競馬場では、馬と並走して観戦できる

ばんえい競馬の観戦

ばんえい競馬の走行は、人間の歩行速度とほぼ変わらないため、目当ての馬と並走して観戦することができます。馬の全力を出している姿は、動物園で見るただぼーっと過ごしている動物とは迫力が違います。騎手の掛け声や観客の声援と交わる馬の息遣いや唸り声は、ばんえい競馬の力強さの象徴です。

⑦人間ばん馬もある

人間ばん馬

帯広商工会議所が主催する「とかちばん馬まつり」のメインイベントとして、「ワールド人間ばん馬チャンピオンシップ」が毎年帯広競馬場の本馬場で開催されています。まず、女性1名がスタートゲートから110mを走った後、ソリに乗ります。その後、第2障害を含めた残り90mを、男性5名でソリを引いてゴールを目指します。重量はソリ(150kg~180kg)+女性です。1トンもの重りを担いで全力で走らされる馬の気持ちを、ぜひとも味わってください。