公式サイトより分かりやすい『競馬ブック』の読み方①


『競馬ブック』とは

競馬ブックとは

『競馬ブック』の特徴(他の新聞との違い)

  • 中央競馬全場所全場所全レース掲載(3場開催の際は、1場がメインレースのみ。なお、未掲載レース分は、WEBで基本情報を無料公開している)
  • 独自の集計データが豊富で、出馬表(馬柱)の実用性が圧倒的
  • 出馬表(馬柱)が横読み
  • 独自のスピード指数「レイティング」
  • 前後半6レース(360円)のみ、1レース(60円)のみなど、部分的に購入できる
  • WEBで購入できる
  • コンビニプリントサービスに対応している

それではODINさん。『競馬ブック』の特徴を端的に説明してください。

・・・『競馬ブック』の特徴を一言で言うと、「情報の実用性」だ。国内最大の競馬出版事業を展開しているだけあって、とにかく独自データが豊富で、有用性が高い。

それは、信頼できる情報が多いということですね。例えば、どのような情報があるのでしょうか?

圧倒的なのは、出馬表(馬柱)の情報だ。出走歴が一目でわかる「ローテーション表」、「馬の調子の推移」、「同レースにおける過去20年の馬番成績」、「勝レースの平均距離」など、他紙にはない情報が満載だ。調教の出来を表す「追切時計」まで、『なぜか』出馬表に入っている。

そして、大手競馬紙で唯一、出馬表が横読みだ。『なぜか』は全く分からないが、慣れてしまうと、もう縦読みはできない体になる

なるほど、出馬表に大きな強みがあることが分かりました。ただ、初心者には少し難しい印象を持ちます。

確かに、他紙よりも、広く深い情報が多い分、競馬中級者から上級者向けの新聞と言えるかもしれない。これから競馬を極めたい人や、競馬で食べていきたい生粋のギャンブラーに、強くお勧めする。

一方で、初心者へのサポートも手厚い。公式サイトでは出馬表の読み方を分かりやすく図解で説明し、電話での問い合わせ窓口も設置されている。サブ情報である調教表や、新聞に関係のないパドックの読み方だけ、『なぜか』動画で説明されているのも、ある意味手厚い。

なるほど。初心者でも、これから競馬を学んでいきたい人には、有用ですね。このサイトの理念にも通じます。

そして、全国紙でありながら、『なぜか』関西圏で絶大な人気を誇っている

・・・さっきから、『なぜか』が多くないですか?

・・・調べても、理由が全く分からんのだ。一応編集部に問い合わせたが、うまいこと濁された。きっと、細かいことは誰も気にしていないのだろう

まぁ、これ以上勉強するのも大変なので、細かいことを深く考えるのはやめましょう。それでは、出馬表の読み方をご覧ください。


『競馬ブック』の読み方(出馬表)

競馬ブック出馬表①
  • 出馬表(でんまひょう)・馬柱(うまばしら)と呼びます。
  • 出走馬の情報が、1レースごとにまとめられています。
  • このページでは、上記の3ブロックに分けてご説明します。
  • ①は出走馬の基本情報②は出走馬の過去レース詳細③その他の出走情報、というように解釈してください。

『競馬ブック』の出馬表以外の読み方はこちら


①出走馬の基本情報

競馬ブック出馬表②

馬番・帽子の色・枠番・馬番

馬番と枠番の番号です。帽子の色はレースの頭数によって異なりますが、馬番で決まります。

図では、「4枠7番で、騎手は青色の帽子をかぶる」という意味です。

遠征情報

栗東所属馬(関西)が関東地区で出走する場合→「関西」

美浦所属馬(関東)が関西地区で出走する場合→「関東」

地方在籍馬が出走する場合→「地方」

と表示されます。表示がある場合は、「遠くから遠征している」と考えてください。

レイティング

レイティングは、各馬の能力を数値化した「競馬ブック」の独自指標です。50~70の間で表示され、数値が高いほど能力が高くなります。

()内が前走の値、右側が今回の値です。太字は、当該レースで上位評価であることを表します。

予想師の予想

予想師の予想です。一般的には、◎→〇→▲→△→×→注の順で期待値の高さを表現していますが、×以下はほぼ「無し」に等しいと考えましょう。

なお、「競馬ブック」では、最大級の推奨をする場合に、◎の上を行く「◉」が付きます

単勝オッズ 予想される単勝のオッズです。あまり参考にはなりません。JRAのHPでリアルタイムのオッズを確認しましょう。
展開予想 展開予想とは、馬の走行中の位置取りです。矢印が左に伸びれば伸びるほど、先頭に近い位置で走行します。上から、「逃げ」「先行」「差し」「追い込み」と言います。
重量(単位:kg)

そのレースで背負う重量です。騎手の体重や装備の重さを含みます。数字が小さいほど、有利な戦いとなります。格上挑戦、牝馬、新人騎手騎乗の場合に、優遇されます。

なお、重量が優遇された場合、数字の上に、1kg減→☆、2kg減→△、3kg減→▲と記号が付きます。

騎手名 騎乗する騎手の名前です。前走から騎手が変わった場合は、太字になります
騎乗成績

その騎手の騎乗成績です。左から1着、2着、3着、4着以下の数を表します。

図では、「ヴェンジェンスに幸騎手が騎乗したレースでは、1着が7回、2着6回、3着が2回、4着以下が6回」という意味です。

父親名

父親の名前です。馬の血統は、母親よりも父親から色濃く受け継がれると言われています。○は距離適性です。

(長→長距離、中長→中長距離、中→中距離、短中→単中距離、短→短距離)

出走馬名

出走馬の名前です。左に記号がある場合は以下のように覚えてください。

[外]海外のレース出身もしくは交流戦で一時的に参戦

[地]地方競馬のレース出身もしくは交流戦で一時的に参戦

性別・年齢

性別は牡(雄)、牝(雌)、騸(セン・去勢した雄)の3種類。気性の荒い馬は、去勢すると性格が穏やかになり、レースが安定するというメリットがあります。

現役馬の年齢は2歳から12歳くらいまで。能力のピークは4歳~6歳です

母親・母親の父

上は、母親の名前です。右の数字は、現役時代の勝利数です。

下は、母方の祖父の名前です。血統上は、母親よりも、母親の父が重要視されます。右の記号は父親と同じく距離適性です。

毛色・馬主の所属協会

上段は、毛色(馬体色)です。レース観戦時に活用してください。

下段は、馬主の所属する馬主協会名です。中京・小倉・新潟・福島・海外の場合に、記載されます。

馬主・生産牧場

左は、馬主名です。中央競馬の馬主は、お金持ちの象徴であり、男のロマンが詰まっています。レース服は、馬主によって決まります

右は、生産牧場の名前です。ノーザンファームなど社台(しゃだい)グループがトップシェアで、寡占状態にあります

調教師・厩舎

左は調教師名です。個々の能力差があり、レース環境によって、得意・不得意が存在します。

右は厩舎です。栗東が「栗」、美浦北が「北」、美浦南が「南」の3種類です。それ以外は、その地名で表しています。

重馬適正・重馬レース成績

左の記号が重馬適正で、重場・不良場での適性です。◎→得意、〇→普通、△→不得意、表示なし→判別不能と理解してください。

右が重馬レース成績で、重馬・不良場でのレース成績です。左から1着、2着、3着、4着以下の数を表します。

図では、「重馬適正は普通で、重馬でのレース成績は、1着が2回、2着が3回、3着が0回、4着以下が0回」という意味です。

全レース成績

出走馬の全レース成績です。左から1着、2着、3着、4着以下の数を表します。

図では、「全レース成績は、1着が7回、2着が8回、3着が4回、4着以下が8回」という意味です。

連対時の展開内容・収得賞金(単位:万円)

左が連帯時の展開内容です。連帯とは、1着・2着の回数です。展開は、「逃げ」「先行」「差し」「追い込み」の4種類です。

右が収得賞金です。収得賞金は、獲得賞金とは異なります。「階級」のようなものだと考えてください。

図では、「1着・2着に入ったレース展開は、逃げで1回、先行で6回、差しで8回、追い込みで0回で、収得賞金は7600万円」という意味です。

ローテーション

全8週間のローテーション表です。「・」ひとつで1週分を示し、一番右が先週です。○の数字は出走したレースの着順、☆は出馬投票で除外され出走できなかったレースです。

その他、2か月半以上期間が空いた場合に「休養」、2か月以上期間が空いた場合に「調整」「放牧」「待機」など、様々な表現があります。

図では、「4週前に出走し、2着だった」という意味です。

前走とのレース間隔・前回間隔でのレース成績

前走からのレース間隔と、その間隔で出走した際の成績です。左から1着、2着、3着、4着以下の数を表します。

図では、「前回のレースから中3週空いており、その間隔でのレース成績は、1着が1回、2着が2回、3着が2回、4着が1回」という意味です。


②出走馬の過去レース詳細

競馬ブック出馬表③
開催競馬場・開催日

開催競馬場と開催日です。また、数字の記号は馬場状態で、〇が「良場」、□が「稍重場」、●が「重場」、■が「不良場」を表しています。

図では、「7/7に行われた第3回目の中京競馬場4日目稍重場でのレース」という意味です。「中京競馬場の第4レース」という意味ではありませんので、ご注意ください。

レース名・クラス 図では、「プロキ~という名前のレースでGⅢのクラス」という意味です。
頭数・順位 図では、「15頭立てのレースで2着だった」という意味です。
距離(単位:m)・コース・走破タイム(単位:秒)

図では、「ダート1400mのコースで1分21.3秒で走破した」という意味です。

なお、内回り・外回りコースがある競技場は「内」「外」、「内ラチ」といって、移動柵によってコースが変わる場合は、距離の横に「A~D」が付きます。走破タイムが白抜きだった場合は、レコードタイムとなります。

騎手名・重量(単位:kg)・予想印

図では、「北村友騎手が、重量56kgで騎乗した。競馬ブックの予想は、◬だった」という意味です。

なお、重量が〇数字の時は、そのレースがハンデ戦だったことを示します。また、重量の後ろに「B」が付く場合はブリンカー着用、「C」が付く場合はチークピーシズ着用を意味します。いずれも馬具です。

ペース・前半3F(単位:秒)・上がり3F(単位:秒)

ペースとは、他の馬と比べた際のペースで、H(ハイペース)、M(平均ペース)、S(スローペース)の3種類があります。

前半3F(ハロン)とは「スタートから300mの走行タイム」、上がり3F(ハロン)とは「ゴール前の300mの走行タイム」です。

図では、「展開はハイペースで、前半3ハロンは34.1秒、上がり3ハロンは36.2秒で走行した」という意味です。

通過順位・通過ポジション

左の数字は、第2・第3・第4コーナー通過時の順位です。右の文字は、第4コーナー通過時のポジションで、最内・内・中・外・大外の5段階で表します。

なお、数字に〇で囲まれている場合は「不利なポジション」、太字になっている場合は「致命的に不利なポジション」を意味します。

図では、「第2コーナー通過時は7位、第3コーナー通過時は7位、第4コーナー通過時は6位で、第4コーナー通過時は、内側のポジションを取った」という意味です。

1着馬(2着馬)・着差(単位:秒)

1着馬の氏名と、レースタイムの差です。自身が1着の場合、2着馬の氏名になります。

図では、「1着馬はアルクトス~で、着差は0.1秒だった」という意味です。

場体重(単位:kg)・馬番・人気 図では、「場体重は510kgで、馬番は12番、3番人気だった」という意味です。
調教場所

調教場所は、左が厩舎名、右が調教コースを示しています。

厩舎名は、栗東が「栗」、美浦北が「北」、美浦南が「南」の3種類です。それ以外は、その地名で表しています。

調教コースは、坂路が「坂」、ウッドが「C・CW・W」、ポリトラックが「P」と表記されます。

図では、「栗東厩舎の坂路コースで調教した」という意味です。

追切時計(単位:秒)

追切時計とは、調教時の走破タイムを指します。基本は、「左から全体(6ハロン)、ラスト3ハロン、ラスト1ハロン」の走破タイムを指します。1ハロンは、200mです。

ただし、坂路の場合は、「全体(4ハロン)、ラスト3ハロン、ラスト1ハロン」の走破タイム、数字の5が付く場合は、「全体(5ハロン)、ラスト3ハロン、ラスト1ハロン」の走破タイムとなります。

図では、「全体(5ハロン)は53.4秒、ラスト3ハロンは38.8秒、ラスト1ハロンは12.1秒で走破した」という意味です。

調子・調教師の自信

調子とは、前走時との比較です。矢印が、「↑」は一変、「右上」は良化、「→」は平行、「右下」は下降気味、「↓」は下降を表します。

調教師の自信は、「◎」が強気、「〇」が普通、「△」が弱気を表します。

図では、「前走に比べて調子は良化しているが、調教師は弱気である」という意味です。


③その他の出走情報

競馬ブック出馬表④
コース別成績

コース別の成績です。上の説明欄と合わせて確認ください。上から、1着、2着、3着、4着以下の回数です。

図では、「全ダートレースの成績は、1着が7回、2着が1回、3着が2回、4着以下が3回、京都競馬場のダートレースの成績は、1着が2回、2着が0回、3着が1回、4着以下が1回」という意味です。

当該コース別成績

当該レースと同様のコースでのレース成績です。左の漢字は、右周りが「右」、左回りが「左」と記載され、右の数字がレース成績です。レース成績は、左から1着、2着、3着、4着以下の回数です。

図では、「ダート左周りのレースでは、1着が3回、2着が1回、3着が1回、4着以下が0回」という意味です。

交流戦成績・地方競馬成績

交流戦レース(中央競馬登録場と地方競馬登録馬の混同レース)と地方競馬レースのレース成績です。左から、1着、2着、3着、4着以下の回数です。

図では、「交流戦のレース成績は1着が0回、2着が1回、3着が0回、4着以下が0回である。地方競馬レースは出場したことがない」という意味です。

開催競馬場・最高走破タイム(単位:秒)・重量(単位:kg)

左が開催競馬場、中央が最高走破タイム・右が重量です。上の説明欄の距離ごとに記載されています。一番下は、当該レースと同様のコースの最速走破タイムです。

開催競馬場は、左が競馬場の名前、右が馬場状態を表します。馬場状態は、良場が「良」、稍重場が「稍」、重馬が「重」、不良場が「不」と表します。

図では、「1600mの最高走破タイムでは、東京競馬場の良場、57kgの重量のレースの1分35.6秒である」という意味です。

着順・上がり3Fのタイム(単位:秒)・レース成績

左から、着順、上がり3F(ハロン)の走行タイム、レース成績です。上がり3バロンの走行タイムとは、「ゴール前の300mの走行タイム」です。レース成績は、左から1着、2着、3着、4着以下の回数です。

図では、「1600mの最高走破タイムを出したレースでは、1着で上がり3ハロンが35.4秒だった。1600mのレース成績は、1着が1回、2着が1回、3着が0回、4着以下が0回」という意味です。

過去20年の馬番成績

過去20年間の当該レースの同じ馬番の出走馬におけるレース成績です。左から1着、2着、3着、4着以下の回数です。

図では、「過去20年間、当該レースにおける当該馬と同じ馬番の出走馬の成績は、1着が1回、2着が0回、3着が1回、4着以下が18回」という意味です。

G1成績・平均勝距離(単位:m)

G1成績とは、当該馬のG1クラスでのレース成績です。左から1着、2着、3着、4着以下の回数です。

平均勝距離とは、当該馬が1着になった全てのレースの平均距離です。G1レースに限りません。

図では、「G1レースの成績は、1着が1回、2着が1回、3着が1回、4着が1回で、1着になった全てのレースの平均距離は、1757mである」という意味です。

兄弟馬 代表的な兄弟馬の氏名で、左の文字は続柄です。競馬の世界では、兄弟とは、母親が同じ馬を指します。サラブレット界では、父親が同じ兄弟は数が多すぎて、あまり参考になりません。
短評 出走馬の総評です。様々な表現がありますので、まずは内容がポジティブかネガティブかで判断してください。
重賞成績・季節成績

重賞成績とは、クラスがG1、G2、G3でのレース成績です。季節成績とは、現在と同じ季節でのレース成績です。いずれも、左から1着、2着、3着、4着以下の回数です。

図では、「重賞クラスのレース成績は、1着が1回、2着が2回、3着が0回、4着以下が9回、1~3月のレース成績は、1着が0回、2着が0回、3着が0回、4着以下が3回」という意味です。


ODINさん。ものすごい情報量です。1回じゃとても覚えきれません。

これが競馬新聞の奥深さだ。今取り上げたのは、たった1Pのうちの半分程度。これ以外にも、調教師や厩舎の情報、様々なデータを考察したコラムなど、盛り沢山だ。

競馬上級者の方はすべてを理解しているんですか?途方もない努力が必要な気がしてきました。

安心したまえ。競馬新聞のデータを全てチェックしているのは、きっと日本で2~3人だ。こんなもの全部読み込んでたら、馬券買う前に1日が終わるぞ

ということは、多くの人が情報の一部分を切り取って、予想しているんですね。だとすると、どの情報を重要視すれば良いのでしょうか?

それは人それぞれだ。血統、騎手、馬場、調教、厩舎、コンディション、重量・・・100人の予想師がいたら、100通りの考え方があり、使う情報も様々だ。

そしてそこに正解はない。正解に導く方程式がないからこそ、これだけ情報が多様化し、それぞれの予想メソッドが出来上がり、大の大人が当たり外れに一喜一憂する。これが、競馬の醍醐味だ。

なるほど。では私たち初心者は、どうように始めれば良いでしょうか?

まずはこのページで取り上げた情報だけを正確に覚えれば良い。競馬新聞には他にも沢山情報があるが、それは一旦無視だ。その上で、プロの予想師の予想メソッドを勉強することをお勧めする。

そうすれば自ずと、自分に合う考え方、好きな予想メソッドができてくる。同時に、応援したい騎手や馬も見えてくるだろう。より細かい情報は、自分の予想スタイルが固まってからで良い

なるほど、分かりました。まずはこのページにある競馬の基本情報を頑張って覚えますね。

そして、次は信頼できる予想師の探し方ですが、長くなりましたので、このページはここで終了しましょう。

・・・次は、予想師の成績を公開する国内唯一のページだ。一撃必殺の名に相応しい、「競馬界への斬鉄剣」と言って良い。

・・・最後は全く意味が分かりませんが、最後までお読みいただき、ありがとうございました!次ページも、是非ご覧ください。


『競馬ブック』の予想師の成績はこちら