【第15話】馬番と枠番と内枠と外枠の関係性


あれ?競馬を見てたら、ちょっと気になることを見つけたな。

・・・おいおい、ちょっとまて、ちょっとまて。『年内最後のG1レースは絶対有馬記念が良かったよね会を作りたい』競馬の伝道師ODINです。

今日は待ってましたよ、ODINさん。競馬のレースって、なんでみんなスタート位置が同じなんですか?陸上の短距離走のように外側の馬は前に出ていないと、距離が長くなって、とっても不利じゃないですか

良いところに気が付いたな。しかし、競馬のレースは、自分のレーンに沿って走ることは不可能だから、正確に走行距離を合わせることはできない。ちょっと短めのマラソン大会だと思えば良い。

確かにマラソン大会はみんなスタート位置は同じですね。しかし、それでも不利に違いはないですよね。

・・・そこが競馬の面白いところなんだが、必ずしも外側が不利という訳ではない。コースによっては、内側が不利になることもある。そして、そのスタートポジションは、当然レース展開に大きく影響するものだ。

競馬予想にも重要な要素ということですね。そいえば、スタートの位置ってどうやって決めるんですか?ひょっとして、一番早く来た馬が好きなところに入れる?

・・・そんなことしたら、スタートゲートに行くまでもレースになるぞ。それでは、今回はレースのポジションである馬番と枠番について、解説しよう。


馬番の枠番の違い

馬番と枠番

馬番とは、出走馬1頭ずつにつけられた番号のことで、そのレースに出走する馬の数だけあります(最大18番)。馬がつけるゼッケンは馬番号です

枠番とは、出走馬に割り当てられた枠の番号のことで、必ず1番から8番まで存在します。そのレースに出走する馬が8頭以下の場合は、馬番と同じ番号になります。騎手の帽子の色は、枠番号によって決まります


馬番と枠番の決定方法

馬番は、抽選によって決定します。中央競馬の土日のレースの場合は、金曜日の朝10:00までに抽選結果が発表されます。天皇賞やジャパンカップなどの大きなレースは、木曜日の14:00までに発表されます。

枠番は、馬番の決定と同時に決まりますが、出走馬数によって付け方が変わります。付け方のルールは、以下の通りです。

枠番ルール

レースのスタート地点

発馬機

レースのスタート地点は、「発馬機」と呼ばれる移動式のゲートを設置した位置で決まります。競走馬は、騎手や競馬場の係員の誘導のもと、自分の馬番のゲートに入ってスタートの合図を待ちます。コースの内側に位置する1枠から4枠を「内枠」、コースの外側に位置する5枠から8枠を「外枠」といいます。

なお、ゲートには奇数馬番の馬→偶数馬番の馬の順で入ることが決まっています。馬は、狭いゲートの中で閉じ込められることを嫌がるため、偶数馬番の馬の方が、ストレスなく走ることができると言われています。


内枠と外枠の違い

競馬のレースは、スタートとゴールの位置が同じため、まっすぐ走行した場合は、内枠の方が走行距離が短くなります。しかしながら、一概に内枠が有利という訳ではなく、コースによってメリット、ディメリットが異なります。ここでは、いくつかの具体例を紹介します。

スタート地点から最初のコーナーまでが短いコース(内枠有利)

レースの走行距離は、コーナーでのポジショニングで距離が変わるため、どのコーナーでも基本はインコースの走行が重要です。そのため、スタート地点から最初のコーナーまでの距離が短いほど、内枠の方がインコースのポジションを取りやすいため、有利になります

札幌競馬場芝1500

スタート地点だけ芝コースのダートコース(外枠有利)

競馬場によっては、芝コースからスタートするダートコースがあります。その場合、外枠の方が芝コースを走れる距離が長いため、ダッシュが付きやすく、スピードに乗りやすいと言われています。

中山競馬場ダート1200

ゴール前のインコースが荒れているコース(外枠有利)

競馬のコースは、スタート地点は違いますが、ゴール地点は一緒です。したがって、ゴール前の直線は沢山の馬が走行するため、特にインコースは、馬場状態が荒れて走りにくくなる傾向があります。そのため、ゴール前の直線では、距離を増やしてでも、あえてアウトコースを走行する場合があります。

国内唯一の直線コースである新潟競馬場芝1000mでは、最初からアウトコースを走行できる外枠が有利と言われています。

新潟競馬場芝1000

内枠と外枠の有利性(一例)

内枠と外枠の有利性

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どの枠に入るかも重要だとすると、レースに勝つためには多少の運も必要なんですね。

・・・競馬に限らず、勝負事には何事も運が必要だ。実力通りにことが進むことの方が少ない。世の中、皮肉にできているものだ。

私たち馬券を買うプレイヤーは、もっと運が必要ですが。

・・・そうだな。しかし、競馬には、今回のテーマのようなレース環境を読み取ることで、勝率を上げることが可能だ。競馬に勝ちたい人は、レースに関する様々なファクターを是非勉強して欲しい

そうですね。でも、ギャンブルって「楽して稼ぎたい」という気持ちから始まるのに、競馬は覚えることが沢山あります。結局、勝つためには相応の努力が必要ってことですね。

怠惰を求めて勤勉に行きつく」。とある勝負師の名言で、私の大好きな言葉だ。


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